Quantcast
Channel: ロシアNOW
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2079

「豚のように食べるな」

$
0
0
 ピョートル大帝は「司祭のロシア」を大国にしただけでなく(国境を広げ、大北方戦争で勝利し、バルト海に進出し、サンクトペテルブルクを創設した)、非宗教的な国家にした。フランスとオランダで学んだ後、ロシアの無知な大貴族に中世の服を脱ぎ、ナイフとフォークを持つことを強いた。

 社会でどのようにふるまうべきかを皆に説明するために、共通の教科書が必要だったのである。その教科書になったのが、ピョートル大帝令にもとづいて作成された「青年の誠実な鏡」。  300年前に発行された2部からなる本で、第1部には正しい読み方と計算の仕方、第2部にはエチケットの教えが記されていた。ピョートル大帝は大貴族に何を教えたのだろうか。

2.     謙遜と勤勉

 ピョートル大帝は、社会で極端な自己評価をさけるようすすめている。「自画自賛せず、自己卑下しないこと」。また、自分が名門の出でも、それは自分の功績ではないため、自分の出生を自慢しないようすすめている。「人に褒められるまで待つ必要がある」

 詩人アレクサンドル・プーシキンに1826年に「王座の労働者」と呼ばれているピョートル大帝らしく、仕事への愛について言及している。「若い貴族は時計の振り子のように、快活、勤勉、精励、常に動いているべき」。努力家の貴族と召使が勤勉になれば、ロシアは発展し、反映するとの考えである。

4.     食事のマナー

 「青年の誠実な鏡」を読む限り、一部のロシアの貴族は18世紀初めまで、テーブルマナーを得意としていなかったようだ。「真っ先に料理を取るな、豚のように食べるな。料理をすすめられたら最後に少量を取り、残りを他の人に与えよ」。禁止事項はとても多い。貴族は食事の時に指をなめたり、肉の骨にかじりついたり、口元を手でふいたり、掻いたり、音を立てながら食べたりしてはいけない。

 アルコールについては、ピョートル大帝自身が若い頃ににぎやかな小宴を開いていたこともあり、完全に禁止にはしていない。礼儀を考え、「最初は拒み、それでもすすめられたら、会釈して、もらう」。大酒を飲むことは、もちろん、いけない。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2079